- 2024年問題 (ドライバー時間外規制) 以降、配送回数の増加・小ロット化・着荷時間のばらつきが恒常化し、中小卸の納品確認と請求対応の工数が以前の 1.3〜1.6 倍に膨らんでいます。
- 運送会社を変える・物流を内製化するのは小規模事業者には現実的ではありません。現場の運用ルールを保ったまま、記録と検索だけを画面化するのが現実解です。
- 「いつ・誰が・何を・どの伝票で受け取ったか」を 1 画面にまとめれば、後追いの請求調整と検収トラブル対応が大きく短縮できます。
ドライバーの時間外労働規制 (いわゆる物流 2024 年問題) が始まってから 2 年が経ち、業界全体で配送頻度と納品時間の組み方が変わりました。「以前は一日 1〜2 便だったところが、3 便に分かれて到着するようになった」「同じ取引先でも到着時間が日によって 2 時間ずれる」── 中小卸の現場では、こうした配送回数増 + 着荷時間のばらつきが常態化しています。
この記事では、運送会社や物流網そのものへの介入は最小限にしつつ、現場のなかで膨らんだ作業を仕組みで吸収する方法を、業種別シナリオを交えて解説します。
2024年問題で増えたのは「配送費」だけではない
目に見える変化として「配送費の値上げ」「配送回数を分けた請求の増加」がよく語られますが、現場でじわじわ効いているのは、もっと別のところです。
- 到着時間が日ごとにブレるため、納品確認の立ち会い人員を流動的に調整する必要が出ている
- 同じ取引先の納品が複数便に分かれ、紙伝票の枚数が増えた
- 「便ごとの数量と、月末締めの請求書」の突合がややこしくなり、月末の経理確認に丸 1 日かかる
- 遅延・誤配送のクレーム対応で、「いつ・誰がサインしたか」を後追い確認する場面が増えた
つまり、配送そのものよりも、配送のあとに紐づく事務作業が膨らんでいます。これは配送会社を変えても解消しません。
業種別シナリオ ── 何が「見えない負担」になっているか
青果卸の場合
市場からの仕入れが、これまで早朝 1 便だったところを、保管温度の都合と人員配置で 2 便に分けるケースが増えました。1 便目で品種 A・B・C、2 便目で D・E、と分かれて入荷すると、検品担当が現場に 2 回出る必要があります。1 便目の品物だけで朝の出荷を組み始めると、2 便目到着時には伝票の数字と現場在庫が一致せず、夕方にもう一度棚卸し的な確認作業が発生します。
精肉卸の場合
冷凍便と冷蔵便で配送経路と到着時間が分かれるのは以前からですが、「冷蔵便がここまで遅れた日」「冷凍便だけ朝に着いた日」が混ざってくると、加工開始タイミングが毎日変動します。担当者がスマホで写真を撮って Excel に貼り付けて記録、というやり方では、誰がいつ何を判断したかが見えなくなっていきます。
食品卸の場合
量販店向け納品先で「便ごとに別々に検収サインをもらう」運用に変わった先が出てきています。月末締めで請求書をまとめて出したら、検収済みと検収未済が混在しているのが分かり、再請求と返戻が増加。経理担当が「どの便の分が検収済みか」を Excel と紙伝票の山から探す時間がかかるようになります。
解決の核 ── 「便単位の納品履歴」を 1 画面で持つ
配送そのものは変えられませんが、配送のあとに発生する記録の散らばりは、画面 1 枚にまとめることで大きく圧縮できます。
画面に並べるのは、たとえば次のような項目です。
- 取引先 / 配送便 (1便目・2便目…)
- 到着予定時刻 / 実到着時刻
- 納品物の品目と数量 (伝票単位)
- 検収担当者と検収日時 / 検収サイン画像
- 遅延・誤配の有無 / 連絡記録
- 関連する請求書や訂正伝票へのリンク
紙の伝票や検収サインは、これまで通り紙で残します。画面に登録するのは「便単位で何が起きたか」を 1 行にする作業だけ。月末の請求書突合は、画面の便単位の履歴を時系列で並べ替えるだけで完了します。
画面イメージの方向性は、トップページの画面イメージセクションで確認できます。完成品ではなく、御社の業種に合わせて作り直していくための叩き台です。
既製の物流・配送管理ソフトで足りない理由
物流管理ソフトは多くが「自社で配送網を持つ企業向け」に作られています。中小卸のように運送会社に委託している側の事務的な記録ニーズは、想定されていないことが多くあります。代表的なズレ:
- 運送会社のシステムと連携できない (権限がない)
- 「便」という単位が、運送側のものなのか自社のものなのか曖昧
- 取引先別の検収サインのもらい方が会社ごとに違う
- 業務開始 (加工・配荷準備) と納品到着のタイミングの紐付け方が業種特有
このため、御社の現場の運用順序を活かしたまま、必要な記録だけを 1 画面に集める設計のほうが、運用が続きます。
私たちは、完成したアプリのドメインURLと管理ページ、運用手順をお渡しします。プログラム本体や動作環境は弊社でお預かりし続け、外部仕様の変更や急な不具合には月々の管理・保守で対応します。物流まわりは荷主・運送会社の運用が変わり続けるため、運用保守のなかで継続的に画面を整えていきます。
取り組み方の3ステップ
- 配送経路の棚卸し (60〜90分): 主要取引先について、配送便の数・到着時間のばらつき・検収サインのもらい方を書き出します。優先的に整理する取引先が見えてきます。
- 整理メモと画面ラフをお渡しする (目安 2週間、ここまで費用なし): 課題のメモ、便単位で並べる画面のラフ、開発と運用保守を組み合わせた松竹梅プランをお渡しします。
- 御社用の画面に作り込む: プランを選び、契約を交わして、御社の業務に合わせた画面に作り込みます。紙の伝票運用はそのまま、「便単位で 1 行登録」運用に切り替えます。
全体の進め方は、トップページの「進め方」セクションに8ステップでまとめています。
まとめ
2024年問題以降、配送費よりもむしろ配送のあとに紐づく事務作業が中小卸の現場に重く乗っています。運送会社や物流網は変えにくくても、便単位の納品履歴を 1 画面に集めるだけで、検収確認・月末請求突合・クレーム対応の時間が大きく圧縮できます。御社の運用順序への変更を最小限に抑えて、記録と検索だけ仕組み化する ── これが現実的な選択肢です。
最初の60〜90分のヒアリングから、整理メモと画面ラフ・松竹梅プランのお渡しまで、費用は発生しません。
「月末の請求突合に丸 1 日かかっている」「便単位の検収トラブルが増えた」段階でご相談ください。