この記事の要点
  • 加工食品の原料原産地表示は2022年4月に完全義務化。うち22食品群+個別5品目(農産物漬物、野菜冷凍食品、うなぎ加工品、かつお削りぶし、おにぎり(のり)など)には、原則ルールと異なる個別の表示方法が定められている(農林水産省)。
  • 消費者庁は食品表示法の指導件数を令和7年度下半期(2025年10月〜2026年3月)で100件、うち口頭指導25件と公表(2026年6月12日)。新商品を追加するたびに「どのルールが適用されるか」の判定が必要になる。
  • 解決は全品目を一気に確認するのではなく、22食品群+5品目に該当しやすい商品カテゴリから優先し、判定状況を画面で追跡する段階的な進め方。

「取引先のPB商品を小分けして納品しているだけなのに、パッケージの原産地表示がこれで合っているのか、毎回不安になる」── 食品卸・食品加工業の経営者から、こうした話を伺うことが珍しくありません。原料原産地表示は「原材料の重量割合が一番高いものの産地を書く」という原則ルールに加えて、22食品群と個別5品目には全く違う書き方のルールが定められており、新しい取引や産地切替のたびに確認作業が発生します。

この記事では、原料原産地表示制度と食品表示法の指導実態を最新の数字で確認した上で、小分け・PB化を行う中小の食品卸・食品加工業者が、全品目を一気に確認するのではなく対象になりやすい品目から優先して見分け、表示ミスを防ぐ進め方を解説します。

先に、2つの言葉をかんたんに
  • 原料原産地表示 = 加工食品のパッケージに「どこ産の原材料を一番多く使っているか」を書くルール。2022年4月からほぼ全ての加工食品が対象。
  • 22食品群+5品目の個別ルール = 漬物・野菜冷凍食品・うなぎ加工品・かつお削りぶし・おにぎり(のり)など特定の食品は、原則ルールとは違う独自の書き方が決められている例外グループ。

数字で見る、原料原産地表示制度と食品表示指導の現状

これらの数字が示すのは、原料原産地表示は「一度対応すれば終わり」の制度ではなく、新商品の追加や産地切替のたびに22食品群+5品目に該当するかどうかの判定が繰り返し発生する構造だということです。指導件数自体は多くありませんが、指導を受けてからパッケージを刷り直すコストと機会損失は、日々の確認作業を怠らないことで避けられます。

業種別シナリオ ── 小分け・PB化で表示ルールに悩む典型的な場面

以下は複数のご相談を再構成した代表シナリオであり、実在の特定企業を指すものではありません。

シナリオ 1: 青果卸(業務用に野菜冷凍食品・漬物をPB化して卸す)

量販店や外食チェーン向けに、仕入れた野菜を刻んで冷凍・パック詰めし、PBブランドの野菜冷凍食品や漬物として卸す青果卸。「野菜冷凍食品」「農産物漬物」はどちらも個別5品目(別表15の2〜6)の対象で、22食品群とは別に原則ルールとは違う専用の書き方が必要になる。産地が季節ごとに切り替わるたびに、営業担当が「今回はどの表示方法だったか」を毎回マニュアルで確認し直している。

シナリオ 2: 水産加工品卸(だし・削り節を仕入れて業務用に再包装)

かつお削りぶしやだしパックを仕入れ、飲食店向けに小分けして再包装する水産加工品卸。「かつお削りぶし」は個別5品目の1つで、原則の「原産地表示」ではなく「製造地表示」という独自ルールが適用される。仕入先を切り替えた際、担当者が個別ルールの存在を知らず、一般ルールのまま表示を続けてしまいそうになった。

シナリオ 3: 食品卸(コンビニ・スーパー向けPBおにぎりの具材・のりを卸す)

コンビニやスーパーのPBおにぎり向けに、のりや具材を卸す食品卸。個別5品目の「おにぎり」はのりの原産地表示が必要だが、詰め合わせ品や複数商品を組み合わせて納品する場合にどこまで表示義務が及ぶか判断が難しく、取引先ごとに確認方法がバラバラになっている。

解決の核 ── 全品目を一気に確認しない対象品目の見分け方

数百SKUを扱う中小の食品卸・食品加工業者にとって、「全商品を一斉に確認し直す」計画は現実的ではありません。特に季節ごとに産地が変わる商品では、その都度ゼロから判定作業をやり直すことになり、担当者の負担が積み重なります。

具体的には:

このアプローチは、既存の仕入・商品管理の運用を変えずに、判定結果という新しい判断材料だけを画面に足す「現場を変えない開発」の考え方と同じです。

既製品で足りない理由

取り組み方の 3 ステップ

  1. 現状棚卸(2〜3週間): 現在扱うPB品・小分け品を洗い出し、原材料表と照らし合わせて22食品群+5品目への該当有無を確認する。今のラベル台帳(Excel・紙)の運用フローも可視化する。
  2. 判定・確認画面の追加(1〜2ヶ月): 商品マスタに原産地表示区分の欄を追加し、産地切替が発生したSKUを一覧できる画面を作る。入力は既存の仕入伝票・産地連絡メモを転記するだけで、現場の負担は増やさない。
  3. 運用への定着(継続): 新商品追加・産地切替のたびに画面で確認するルーチンを定着させ、担当者の記憶だけに頼らない状態にする。

まとめ

原料原産地表示の対応で本質的に問われているのは、法令の細かい条文を覚えることではなく、「産地情報が変わるたびにそれを捕まえて画面に残せる状態を作れているか」という運用の話です。全品目を一気に確認しようとせず、22食品群+5品目に該当しやすい商品から優先順位をつけて、判定状況を画面に記録していく。この進め方が、今回の確認作業だけでなく、今後も繰り返される産地切替や制度の見直しへの備えになります。

引用元

「このパッケージ、原産地表示は原則ルールと個別ルールのどちらか分からない」段階のご相談を歓迎しています

最初の 60〜90 分のヒアリングから、整理メモと画面ラフ・松竹梅プランのお渡しまで、費用は発生しません。 「PB品・小分け品が多く、22食品群+5品目への該当判定を都度マニュアルで確認している」「産地切替のたびに表示ミスが心配」「取引先ごとにパッケージフォーマットが違い対応が属人化している」段階で大丈夫です。

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