精肉卸の 4 大課題
ご相談で伺うことが多い、精肉卸で共通する現場課題を 4 つに整理しました。それぞれ、詳しい解説記事と着手順序を用意しています。
関連する制度・動向
精肉卸の現場に影響する制度・業界動向を扱った記事です。
精肉卸のシステム化で私たちが大切にしていること
精肉卸の業務システム化で私たちが最優先しているのは、ベテラン担当者の判断ロジックを否定しない ことです。既製 SaaS の「部位別発注点を数値で設定してください」型 UI は、「取引先の当日発注 × 加工歩留まりの直近傾向 × 冷蔵庫の空き」という複合判断を扱えず、多くの中小精肉卸で運用が続かない構造になっています。
私たちのアプローチは、ベテランが朝見ている 5-7 種類の判断材料をそのまま 1 画面に集約し、最後の意思決定はベテランに残す こと。判断結果と「なぜその量にしたか」のメモを 3 ヶ月蓄積することで、後継者が過去の判断を振り返れる引継ぎ資産に変わっていきます。
着手順序の目安
- 1 ヶ月目: 現状観察 — 加工現場と発注担当者に密着し、ベテランが何を見て判断しているかを観察 (既存業務は変えない)。
- 2〜3 ヶ月目: 判断材料表示画面の追加 — 入力経路 (販売管理 / 在庫 SaaS / Excel) は触らず、ベテランが見ているものを 1 画面に集約する観察型画面を追加。
- 3〜6 ヶ月目: 判断記録の蓄積 — 発注結果とメモが蓄積され、後継者が過去の判断を検索できる状態へ。並行して温度記録 / 歩留まり管理などを段階的に追加。
導入事例
実際に精肉卸の在庫と原価を、現場のやり方を変えずに画面化した事例をご紹介しています ── 株式会社やまのおかげ屋 様 (鳥取和牛・精肉卸) の導入事例。不定貫の在庫管理と、勘に頼っていた原価按分を、既存の販売管理システムはそのままに仕組み化しました。
精肉卸のよくある質問
ベテランの発注判断を画面にすると、かえって縛られませんか?
最後の意思決定はベテランに残す設計です。画面は朝見ている 5〜7 種類の判断材料を 1 枚に集めるだけで、発注量を自動で決めることはしません。判断の主導権はそのまま、材料を探す手間だけを減らします。
部位別の歩留まりは日によってばらつきます。曖昧なものを画面にできますか?
ばらつきを無理に平準化せず、加工指示と実績のズレをそのまま記録する設計にします。理想の歩留まり値を押し付けるのではなく、実績の傾向を月末を待たずその日のうちに見える状態にするのが目的です。
HACCP の温度記録は、今の手書き巡回をやめないといけませんか?
やめる必要はありません。巡回と手書きは残したまま、異常値と記入漏れだけを画面で拾う進め方にできます。現場の動きは変えず、後から確認・提出する手間を減らします。
不定貫(重量がバラバラ)の在庫でも扱えますか?
扱えます。実際に鳥取和牛の精肉卸様で、不定貫の在庫と勘に頼っていた原価按分を、既存の販売管理システムはそのままに仕組み化した事例があります(導入事例)。
最初の 60-90 分のヒアリングから、整理メモ・画面ラフ・松竹梅プランのお渡しまで、費用は発生しません。 「ベテラン加工担当がいなくなったら業務が止まる」「HACCP 記録で紙が増える一方」「部位別の収益が月末にしか把握できない」等、精肉卸特有の状況で結構です。